Kodachrome

Welcome to
TAKEI hidenori web site

*Life with M-LEICA style*

kodachrome.jpg

| HOME | Monologue | Kodachrome |

更新日 2010-11-06 | 作成日 2008-03-03

Kodachrome

Good-bye Kodachrome

1935年、世界初のカラーリバーサルフィルムとしてコダック社から発売されたコダクロームには、並々ならぬ思いがあった。1970年代の私は、小型カメラを手に世界を巡るのが夢で、大学において初めて触れた4×5などの大型カメラを、欲しいと思ったことは一度もなかった。そのような時代に、大きく伸ばしてもクォーリティが落ちない35mmカラーフィルムの存在が気になるのは、当然であり、必然の結果だった。

kodak64.jpg8本の未露光コダクロームPKR
写真を始めた学生時代から「スタジオは地球だ」と決めていた。大学ではモノクロームのすべてをしっかりと叩き込まれたが、時代はカラー全盛を迎えている。そのなかでもコダクロームで撮られた写真は1味も2味も違って見えた。マグナムにカラー旋風を巻き起こしたErnst Haasやパリで活躍していたSteve Hiettの自分のイメージを大切に表現した写真に感動した。
あの美しいモノクロームの世界を創り出すJeanloup Sieffでさえ、「カラーであればコダクロームを使う」とインタビューで答えていたのだ。
それほど、世界中の小型カメラを使う写真家には、コダクロームの存在が不可欠なものだった。70年代後半、それまで評判の良かったコダクローム2は、もはや手にすることができず、コダクローム25とコダクローム64に変わっていた。テストにテストを重ねたが、現像時に色素カプラーを加える特殊な現像処理のため東京に送らねばならず、仕上がりを受け取るのに2週間近く待つこともある。結果、感度の低いコダクローム25の方を当時の私は気に入っていた。

kodak01.jpgkodak03.jpgkodak04.jpgKodak02.jpg

卒業制作のため渡米した時は、モノクロームで撮るのか、カラーフィルムを使うか、決めてはいなかった。ただ,日本では見ることができない色、そしてその色の組み合わせなどに惹かれ「Color of the Wind」という気分だったのは間違いない。テストをしてコダクロームで撮った写真がいちばんテイストに合っていたのでカラーで勝負することにした。L.Aの専門ショップには、現像代込みコダクロームが置いたあったので、それを購入して西海岸を撮影して回った。30年前に撮ったその時の写真をここに一部を掲載しているが、退色に強いのが解ると思う。加えて「Color Trading」としてALBUMにまとめている。

コダクロームの粒状性、シャープネス、耐久性は、現在においても遜色はない。デジタルの趨勢に翻弄され、特異なアナログフィルムは淘汰されるのは仕方が無いにしても、残念としか言いようがない。ロットによってバラツキがあり、乳剤番号をチェックしながら当たりがでれば、できるだけ買い占め、冷蔵庫に保存していた時代が懐かしい。

gry_Information.png Good-bye Kodachrome


Leica_RGB.jpgコダック社では、大幅な需要の落ち込みと、処理薬品などの安定供給ならびに処理設備のサポート維持が難しくなり、日本での販売を終了したとアナウンスしている。日本以外での主要市場では販売がとりあえず継続しているようだし、ハワイで現像処理ができるということで、時間はかかるが現在でも現像は可能である。今手元に8本の未露光コダクローム64PKRがある。箱には2008/06と期限が記載されているが、とりあえず冷凍保存している。さて,何を撮影してハワイに送ろうか?と楽しく悩んでいる。
kodakLogon.gif

inserted by FC2 system