ライツM6ウェツラーモデル
1984年にフォトキナで発売されたM6は、M4に露出計が内蔵されたというライカなのですぐ購入した。当然M4ブラックペイントのような質感は感じられないが、普段使いできるM型が登場したのを喜んだ。一部マニアと呼ばれる人たちは、その劣った質感に嘆いたコメントを発表したが、道具としての引力・ベクトルは、その造作含め私には十分なものだった。長い間生産されたので、いくつもの記念バージョンが存在するが興味はないのでココでは省く。ただ、私なりのこだわりと言えるものがあるとすれば、ライツ時代に生産された初期モデルが好きだ。
M4ブラックペイントが好きだと言っても、露出計が内蔵されたM6は正直に便利。しかもM4と外見は変わらず重量もほとんど同じ。初期型であるウェツラーモデルというのは1986年前後に発売されたから、20年以上前に生産されたもの。それ以降、刻印等変わったライカM6も人気があり長年販売されたので、パーツ等十分ストックがありメンテナンスの心配はいらない。現行品であるクラシック・タイプを模したMPより、当然中古価格も安く、巻き戻しクランクが付いていたりと使い勝手は劣らない。M6ライツモデルが好きなのは、手に入れた後、パリやバリ島にとあちらこちらへ一緒にでかけ、過酷な状況下での撮影のなか出来上がった写真に期待を裏切られたことは一度も無かったからという個人的理由からだ。機械は何でもそうだが、M4とM6も頻繁に使ってやればそうそう壊れるものじゃない。ユーロ高他理由でライカ製品は現在全般的に値上がっているので、コストパフォーマンスの良い手軽なM6の存在はありがたい。
ライカボディはM4とM6のセットを旅で持ち出すことが多かったので、この2台のボディには特に思い入れが深い。機材をある程度整理してシンプル化を計っても、結局このセットに舞い戻ってしまう。それだけ手に身体に馴染んでいるということだ。
ライツM6ウェツラーにはノクティルクス50mmを、もう1台のライカM4ブラックペイントには35mmを装着してでかけることが多い。カメラバッグはA&AのACAM-1000を使っている。このなかに現在はコンパクトデジタルのライカC-LUX2を加えフィルム数本を入れている。このバッグにはまだまだ余裕があるので重宝している。
発売当初は、ライカ・コメンテーターに酷評されていたM6だったが、一度使いやすさを体験するとそのM6のほとんどの部分で許せてしまうという魅力を持っている。キャノンやニコンに比べれば、スペック的に10歩以上遅れているが、ライカで写真を撮るという延長線上において本音で、とても楽なのである。 |