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*Life with M-LEICA style*

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更新日 2010-11-06 | 作成日 2008-03-03

Summilux-M35mmf1.4/1st.ASPHERICAL

LEICA-M.Lens

1992年ライカ社より素晴らしいレンズが発売された。近年のライカレンズのなかでどれか1本と尋ねられれば、このズミルックス-M35mm/1stアスフェリカルを選ぶと同時に推薦もする。

5群9枚構成で3枚目と8枚目に非球面レンズが使われている。この2枚のアスフェリカルレンズは加工が難しく手磨きで研磨されたという話である。発売時からプレミアがついてお店に並ぶこともなく、当然、見たことも触ったこともなかった。 フィルター径は46mm。プラ製だが頑丈な角形オリジナルフード12587が用意されている。うれしいことに撮影最短距離は0.7mに変更された。

Aperture stop f1.4

Summilux-M35mmf1.4/1st.ASPHERICALの凄さ

幻のズミルックス35mmアスフェリカル初期玉と云われるこのレンズの製造本数は2000本、1600本、いやいや1000本と定かではない。中古市場でもほとんど見ることがないが、もしあったとしてもプレミアがつき高額で取引されている。

ダメルックスの異名を取る球面ズミルックス35mmの小悪魔のような魅力は、このレンズには存在しない。当たり前だが価格に見合う、あるいはそれ以上の能力と、ささやかだがステキな艶を持っている。まず、絞り解放で撮った写真を並べてみた。

summiluxas102j.jpgsummiluxas102i.jpgsummiluxas101e.jpgsummiluxas101h.jpg


ピントが合ったところは、球面の前モデルとは比較にならないくらいシャープに解像している。アウトフォーカス部分は癖がなく素直というか、なめらかに現代のレンズらしくストンとボケていて、球面ズミルックス35mmとは印象がまったく異なる。加えて前ボケも美しく破綻がない。アスフェリカルレンズのおかげで華麗なる変身を遂げたようだ。

意地悪く見てみると若干4隅に収差が残っていて甘い感じもするが、そういう気がするだけかも知れぬ。「完成度が高すぎて面白みに欠ける」なんて天の邪鬼的なコメントをしたくなるほど、すばらしい内容を持ったレンズだと思う。

Aperture stop f4.0

解放絞りでもすばらしいパフォーマンスを誇ることができるのだから、どの絞りを使ってもその優位性は変わらない。硬いとまでは言わないが、ちょっと絞った時の繊細でシャープな描写には驚かされる。

summiluxas07f.jpgパラオsummiluxas07c.jpgパラオ
球面ズミルックス-M35f1.4とは違い、どのような条件下でも最高の描写力を発揮するようだ。これこそオールマイティというかスペードのエースを手にした時のような、優越と安心が入り交じったそんな余裕が生まれる。いくら褒めちぎっても褒め過ぎの感はない。
ライカデジタルM8にこのレンズを着けて撮る場合でも、何の問題もなく最高の結果を残してくれる。加えてニュートラルな発色にも注目して欲しい。

絞り解放でも絞り込んでもこのレンズは最高のパフォーマンスを発揮する。その驚くようなシャープ感、適当なコントラストの高さ、自然なボケ、再現性。しかも70cmまで近寄ることができる。凄さを実現した非球面レンズは手で磨かれたという話だが、もしそうであるならば個体差というのが存在するのかどうか、興味のあるところだ。

Example

ここでは使う絞りに関係なく、またいろいろな条件下で撮った写真を載せてみた。フィルムで撮ったものもあれば、ライカデジタルM8で撮影した写真も入っている。

近景、中景、遠景、天候、撮影時間とどのような場合にシャッターを切っても良い感じで再現してくれている。 フィルムは高彩度ベルビア50を使っているが、派手とは言えない色再現が好ましい。ピントの合ったところの解像感、シャープさには感動してしまう。

summiluxas102nd.jpgsummiluxas102n.jpgsummias02.jpgsummiluxas01.jpg
summiluxas102nl.jpgsummiluxas04.jpgsummiluxas06.jpgsummiluxasnid.jpg


現在、非球面レンズの製法が改善され量産化ができるようになったのでライカレンズもASPH新世代を迎えている。手間がかかるASPHERICAL初期玉は少量生産されただけで次世代モデルが登場する。現行ズミルックス-M35mmf1.4ASPHはアスフェリカルレンズを1枚減らしコストダウン化されたと云われている。現在では製法が改善されても、性能が初期玉より落ちるということはないようだ。逆に甘さはすべて排除され、能力としては現行品の方が凄みを増しているのかもしれない。少なくとも正価の2倍近いプレミア価格を受け入れる意味は希薄だといえる。

ライツ時代のボワ〜ンとしたりドロ〜ンとしたMレンズに参っている私が、レアで高価なレンズの話をするのは、ある意味、緊張感がともなうのだ。

gry_Information.pngSummilux35/ASPHERICAL

Leica_RGB.jpgズミルックス-M35mmf1.4/1st-ASPHERICAL話は、もはや伝説にまで登り詰めようとしている。レア・アイテムでありながら加工、性能ともすばらしいのでプレミアが付くのもわかる。しかしながら道具である以上、使わなくなった、あるいは使わない、使えないものを身近に置こうとは思わない。もしそれが手元にあれば必要な方にお譲りする。一時期、知人からこの王様レンズを譲っていただきデジタルライカM8に着け楽しんでいたが、レンズ前面コバにある塗料に気泡がたくさん発症して、ライカサービスに送ると修理不能、しかも6ビット加工も不可という返事に手放してしまった。とはいえ、ライカレンズで35mmを何れか1本選べと言われれば、迷うことなくこのレンズを選ぶ。

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