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*Life with M-LEICA style*

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更新日 2010-11-06 | 作成日 2008-03-03

Noctilux-M50mmf1.0/2nd

LEICA-M.Lens.

ノクティルクスの集光能力は人間の眼さえも超えています。

35mm写真用としては驚異的な解放f値が1のレンズで、写真史上における画期的な製品です。そのずば抜けたコントラストの再現性によって、僅かな色の違いも忠実に区別し、また被写体の最も細かい部分も正確に再現します。迷光やコマ収差がほとんどないため、点光源もフレアを生じることなく再現できます。このレンズは独特で魅力的な写真表現を可能にします。薄明かりの中の撮影だけでなく、フラッシュ無しでの夜間撮影にも適しています。一本のロウソクの明かりだけでも十分に撮影が可能で、非常にクリアな写真が撮影できます。解放絞りの非常に浅い被写界深度を利用して、画像の細部を強調することもできます。そのような写真ではシャープでない領域の輪郭は、ぼんやりした形と色の美しさの中に溶け込んでいます。(ライカレンズブックより)

Black&White

Noctilux-M50mmf1.0/2ndの魔力

初代ノクティルクスは世界で初めて非球面レンズを取り入れf1.2の明るさと十分なコントラストを確保した貴重なレンズ。手で磨かれたという逸話もあり生産本数が少なかったせいで、程度の良いものとなると一桁違うのではないかという価格で取引されている。でもね、球面レンズのみでf1.0を実現したカナダ製レンズは、コストダウンされたとはいえ半絞り明るいわけだし、カラーでの再現性も新しく設計された方が良いに決まっている。つい鼻息が荒くなってしまったがここは気を鎮めて、まずモノクロフィルムで撮った写真を紹介したい。

使用機材
LeicaM4+Noctilux-M50mmf1.0。B&WフィルムはコダックTRI-X。暗室ではFocomat1cカラーにイルフォード・マルチグレードRCペーパーMGD1M使用。

noctilux1210sw1.jpgアイランドパーク
博多湾内にある能古の島アイランドパークで撮影した写真。曇天でちょっと薄暗いかなという条件だったが、柔らかな夕方の光のなかノクティルクスの絞り解放で撮っている。ヤギさんが浮かび上がるように彼の眼にピントを合わせた。
noctilux1210sw4.jpg磯辺にて


同日、能古の島の東側にある磯辺から撮った写真。同じ天候ながらお昼過ぎだったので光は十分。絞りはf5.6、右に見えるトゲトゲにピント合わせている。このように絞ってもけっして硬い描写にはならない。

Color

デジタル全盛となった今でも愛機ライカM4にフィルムを入れいつも持ち歩いている。カラーフィルムはコダクロームがいちばん好きだったけど、日本では販売中止となった今、ベルビア50を使う場合が多い。

noc001aq.jpgドール・パインナップル
この写真は、2008年1月にハワイ・オアフ島にあるドール・パインナップル・プランテーションで撮った絞り解放もの。光も射せば、曇って雨も降るという冬のハワイらしい 天気。光が隠れるとちょっと肌寒い。ノクティルクスは絞り解放だと周辺光量がちょっと落ちるのが特徴。色のにじみ、ボケ具合がアロハ柄にも見え、その時の気分を再現してくれている。

noc001ai.jpgマリノアシティ
福岡マリノアにあるアウトレットモール2Fから絞りf2.8で撮影。天気快晴。気分良く青空を取り入れる。写真は引き算とよく言われるが、どれだけ贅肉を切り落とすか決めるのは撮影者の感覚のみ。お手本にすがるより気分を大切に。脂肪を上手に吸引できるのが名医というわけではないからね。

noc001av.jpgラニカイ
カイルアビーチからラニカイ(天の海)を撮る。光が射せばベルビア50を使っても絞りf2.0、シャッター速度1/1000秒。


ノクティルクス-M50mmf1.0を使う醍醐味はやはり絞り解放で撮ることだろう。それは世界で手に入る最も明るいレンズはノクティルクスしかないからだ。絞り込んでも描写の柔らかさを放棄しない頑固さは感じるが、そのために600gもあるでかくて重いレンズを持ち歩く意味は少ない。とはいえいつも旅先には持ってでかけてしまう不条理さ。そういう抗しがたい魅力は魔力と言い換えてもいいくらい。道具、機材、手法は何でも良い。ノクティルクスがあるから写真が上手という方程式は成り立たない。というくらい十二分に解ってはいるけれど、年を重ねてボケを感じる世代になるといろいろなボケが気になってしまう今日この頃である。

Example

すべてノクティルクス-M50mm絞り解放で撮影。とろけるような溶けていくような被写体をつい探してしまう。撮影最短距離1mにおけるピントの合う幅は紙一重。試しに右手の親指を目の前に突き出し、じっと両眼で見つめてみれば指のまわりはほとんどボケているのを実感できる。

summiluxas07h.jpgnoctiluxf1010.jpgnoctilux114.jpgnoctilux1011l.jpg

薄いピント幅を外さないためには、良くメンテナンスされたボディを使うことが肝心だが、ノクティルクスは中央部のコントラストが高めてあるので出来上がった写真を見ると意外とピントがきているように感じる。周辺部はちょっと乱れ光量も落ちるが、そこまで潔癖性ではない私には十分我慢できる範囲。

恥ずかしながら学生時代を顧みると絞り解放で撮影するなど、どうしようもなく光量が不足しているとき以外、考えることもなかった。大学の講師も「レンズは暗い方が解像度が高く、歪曲収差は少なく、テストデータがいいぞぉ。しかも安い。」と教えられ、絞り込んできりりとした写真が良いとするならば、f1.4よりf2.0、否それよりf2.8のレンズだ。と頭に叩き込んでいたが、デジタル対応手ブレ防止機能などがついている高性能ズームレンズが登場した現在、ノクティルクスのような単レンズは凛として潔い。ライカMレンズにしては歪曲収差(タル型)がちょっと目立つが、よく補正されているレンズが当たり前になってくるとその乱れが息抜きのように心地よく感じられる。やはり私のへそはねじ曲がっているようだ。

ノクティルクス-M50mmf1.0とダメレンズとして評判高い球面ズミルックス-M35mmf1.4の2本のライカMレンズは今の状況下でも外すことができないセットだ。
いつか、この2本のレンズを家人か子供たちが面白いと思い込み使ってみて欲しい。期待はしていないが何にしても思い込みの強さには敵わない。

gry_Information.png Noctilux-M50mmf1.0/2nd


Leica_RGB.jpgこのレンズを知る前までは、どんな条件下でも優等生であり応えてくれるズミクロンの50mmf2.0が好きだった。というより十分役目を果たしてくれていた。知るというのは恐ろしいものであり、またお金もかかる。現在愛用しているノクティルクスはレンズ番号3114248。フードを取り外すことができるタイプの中期型に属す。フィルター径は60mm。興味のない方にはどうでも良い話だが、ライカ好きにはボディだけでなくレンズの番号帯も重要なのだ。フードが内蔵された現行品はカタログには載っているものの在庫0という状態が続いているらしい。しかも価格が異常に上がってしまった今、中古でも手に入りにくい。

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