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*Life with M-LEICA style*

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更新日 2010-11-06 | 作成日 2008-03-03

Summicron-M50mmf2.0

LEICA-M.Lens

ライツレンズが名声を勝ち得たのは、ズミクロン-M50mm/2.0の功績といえる。私が生まれた1953年に沈胴式バルナックタイプ用として販売されて以来、2008年M用現行品に至るまで、アスフェリカルレンズを組み入れずとも高性能を発揮する優秀な標準レンズである。

ベーシックなレンズで素晴らしいパフォーマンスを持っている。長期間作られているのでバリエーションもたくさんあるが、どの世代の評価も高い。フィルター径は39mm、フードは世代に合わせたオリジナルフードが用意されている。

Paris B&W

Summicron-M50mmf2.0/2nd

手元にあったズミクロン-M50mmf2.0はレンズ番号#236万代、5群6枚のレンズ構成でウェツラーモデルと云われるものだった。初めて手にしたズミクロン-M35mmf2.0のパフォーマンスが気に入ってしまい、次に購入するのもズミクロンと疑うことなく決めていた。

数あるバリーエーションの中から何故ウェツラーモデルを選んだかというと、この世代から最短撮影距離は0.7m。70cmまで被写体に近寄ることができるようになったからだ。小ぶりでありながらレンジファインダーカメラの弱点である近距離までピントが合い、性能高く優等生。しかも当時、ウェツラー製であるのに安価だったので迷うことはなかった。

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ズミクロン-M35mmf2.0/1stとセットでこのレンズはいつも持ち歩いた。あちこちと旅して回ったが、いちばんでかけたのはやはりパリだった。モノクロでの再現性は今更言うまでもなく素晴らしい。

速写性を考え被写界深度を利用するために、写真はのほとんどはf8.0前後を使い撮影したものである。70cmまで近寄りサボテンを解放絞りで撮ってみたが形を残したまま素直にボケていく。自然な描写で絞り解放から安心して使える。コンピューターを使い設計が楽になったという1969年に発表されたレンズだが、現行品より絞り込んでも柔らかいライツ時代の良い意味での描写力が残っているようだ。

England Color

パープルのコーティングが美しいズミクロン-M50mm/f2.0ウェツラーモデルは当時のカラーフィルムに対応したと云われている。コダクロームを使えばどのように発色するのだろう。ここでは晩夏のイングランドで撮影した写真を紹介する。

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私のお気に入りズミクロン-M35mmf2.0より濃厚な発色をするようだ。とはいえ、色の抜けは良いがあくまで渋く、ライツらしいちょっとドロンとした感じではなかろうか。控えめだけどコントラストも十分ありボケも自然である。

観た印象が、そのまま記憶として残るほどうれしいことはない。今時の高コントラスト・高彩度で異様とも言える美しさで写るレンズで撮ったものより、上品なイメージと言っても過言ではないようだ。特に品格溢れる私の気質にぴったり嵌る。

あまりにベーシックすぎて人気があるのかどうかよくわからないズミクロン-50mmf2.0だが、我が愛機ライカM4ブラックペイントとの相性は良い。ライカレンズとしてはコストパフォーマンスに優れているので、もし最初の1本として相談されれば、自信を持って勧めることができる。クロームからブラックアルミニュームへ変わり距離調節レバーがついていないシンプルな外観だけに、ある意味、物足りなさを感じるかもしれないが、それをカバーして余りある力を発揮したうえ、モノクロでもカラーでもOKだよ。というオールマイティさにきっと感服するだろう。もし購入を考えている方がいるとすれば、鏡胴(ピントリング)にカクッとした小さなガタがでている個体が多いので考慮しておく必要がある。

Japan Color

summicron504.jpg福岡の海岸線summicron816ma.jpg小戸ヨットハーバーsummicron5301t.jpg門司港レトロ地区summicron5301e.jpg浦上天主堂


ここではベルビア50を使って撮影した写真を並べてみた。高彩度のベルビア50に、この古いレンズを透して感光させ出来上がった風景は、十分現代的と思える発色をしている。記録色というより記憶色と言っていいのか、例えれば、ミュージックCDを真空管アンプを通して聴いているような感じである。強さを持った柔らかさが、耳に心地良い。その感じが写真になるのだから当然、眼に心地良い。

解像力やコントラストの強さを云々すれば、新しいレンズほど写りが良いのは判りきったことである。それはそれで時代の趨勢だろうけど人間の身体の進化速度は相反して遅い。それでライカ・デジタルM8に古いライツ時代のレンズを使い楽しんでいる人が多くなっているようだ。そしてかく言う私もその一派であることは間違いない。

gry_Information.pngSummicron-M50mm/2nd


Leica_RGB.jpgコストパフォーマンスに優れるズミクロン-M50mmf2.0を手に入れたのはズミクロン-35mm8枚玉を購入したすぐ後だった。この2本のレンズを小さなカメラバッグに入れ、あちらこちら旅してまわったので愛着もあれば撮った写真もたくさんある。程度はそこそこのものだったがよく写ってくれた。だが、長く愛用したこのレンズも、もはや手元にはない。ノクティルクス50mmやズミルックス35mmの面白さにハマり、持ち出す機会がほとんど無くなったからである。とはいえ、ライカレンズとしては高額ではないので、程度の良いものに巡り逢えば、もう一度手にしてみたいと思うこともある。

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