Grand Mother
宗像の祖母
小学生時代、夏休みは宗像に居た祖母の大きな家で過ごした。両親の結婚が遅かったせいか、私が生まれときには祖父母と呼べる人は母方の祖母しかいなかった。宗像の田島に凛としてひとり住んでいて、博多の中心街で育った私や妹は、優しい祖母のいる田舎に行くのが好きだった。ミカン山にタケノコ山が近くにあり、家の前には畑や田んぼが広がり、ひよこや鶏小屋があって、夏の暑さを楽しんだ。そうして汗をかいた後、お風呂は別棟にあった五右衛門風呂だったのが懐かしい。
祖父は井上虎次といい厳格な小学校校長だったらしい。その血を受け継いでいるのかどうかは定かではないが、私も妹も教えるという行為が嫌いではないようだ。祖母は残念ながら学生時代に彼岸へ旅立ったが、写真は、当時私が使っていたライツ・ミノルタCLで撮ったもの。親戚の話では、祖母は若かりし頃、とても奇麗な黒髪の乙女だったそうだ。